ドラムのソロ演奏

前ページでは使用楽器をざっと並べてみましたが、全部を一斉に演奏すると一つ一つの楽器がよく聞こえないかもしれません。
そこで、サンプルMIDIファイルをシーケンサーで読み込んで、各楽器ごとをソロで演奏してみましょう。
(ソロとは「独奏」という意味です)

MIDIは「演奏のデータ」ですから、後から自由に編集することが出来ます。
ある特定のパートだけを演奏するなんてのも簡単です。
Dominoの場合はソロにしたいパートを選択後、上部メニューの「ソロ」をクリックするとそのパートのみ音が出力されます。
サンプル曲 ソロ

全てのトラックにあったスピーカーのマークが消え、選択トラックのみに残りましたね。
これでこのトラックの音のみが演奏されるようになります。
ドラムはトラック分けしていますから、以下のようにドラムパートだけが演奏されるように設定しましょう。
スピーカーマークをクリックで演奏のオン/オフが出来ます。
サンプル曲 ソロ2

この状態で再生するとドラムの演奏のみが再生されます。
またDominoの場合、現在選択されているトラック以外をキーボードのCtrlキーを押しながらクリックすると、スピーカーマークの背景がカラフルになり、そのトラックと現在選択中のトラックが混在してピアノロールに表示されるようになります。
サンプル曲 ソロ2

サンプル曲 オニオンスキン

Dominoではオニオンスキンと呼ばれる機能です。
ドラムのようにパート分けして打ち込みする場合、とても便利な機能です。

ソロ機能はもちろん、複数のトラックを重ねて表示する機能はDomino以外の多くのシーケンサーでサポートされています。

ドラムキットについて

今まで単に「ドラム」と呼んでいましたが、ドラムキットは様々な打楽器を一つにまとめて一人の演奏者で演奏しやすくしたものです。
「ドラム」を日本語にすると「太鼓」です。
太鼓だけではなくシンバル類も一つにまとめられています。

ドラムキットは主に以下の楽器で構成されています。

  • バスドラム(バスドラ・キック):BD・Kick
    低音でリズムを作る。ベースドラム(ベードラ)とも
  • スネアドラム(スネア):SD・Snare
    基本的なリズムのアクセントを作る。主に2拍目、4拍目などで叩くことが多い
  • ハイハットシンバル(ハイハット):HH・HiHat
    バスドラやスネアなどよりも細かいリズムを刻む
  • タムドラム(タム):Toms・TomTom
    2~4種類の大きさがあり、演奏に変化をつける目的で使用されることが多い
  • クラッシュシンバル(クラッシュ):Crash・Cymbal
    小節の頭などで鳴らし強力なアクセントを作る
  • ライドシンバル(ライド):Ride
    ハイハットの代わりにリズムを刻む。クラッシュのように叩くこともある

楽器名の後の英語はよく使用される略語です。
これらはポップスなどで用いられる基本的な奏法です。
ジャンルが違うと同じ楽器でも全く違う奏法で演奏されることもあります。

ドラムの基本はバスドラ、スネア、ハイハットの3つです。
この3つで基本的なリズムパターンを作ります。
それだけではリズムが単純化してしまうので、タムやクラッシュなどで変化やアクセントをつけていきます。

ドラムは現在のポピュラーミュージックではほとんどの曲に使用されています。
テクノなどでもシンセドラムを使用してリズムを形作ることが多いです。

演奏に変化をつける(フィル)

こうしてドラムのみを聞いてみると、特別難しいことはしていませんね。
ある一定の演奏パターンを続けて、演奏が単純にならないようにパターンの最後に演奏に変化をつけています。
ドラムフィル

こうした演奏の変化のつけかたをフィル(フィルイン)といいます。
オカズなどとも呼ばれます。

フィルが入ると聞き手に場面の変化や展開を予想させます。
そのため4小節ごとや8小節ごとの最後にフィルを入れるのが常套手段となっていますが、特に決まりはありません。
フィルのパターンも高いほうのタムから順番に叩いていくパターンが多く見られますが、具体的な演奏は奏者にゆだねられます。

フィルはドラムでよく使われる言葉ですが、ドラム以外の楽器でも一定のパターンに変化をつける場合にフィルを入れる、または遊びを入れるといいます。

今はドラムをソロで聞いていますが、バスドラだけ、スネアだけ、バスドラとスネアとハイハットだけなどさらに楽器を絞って聞いてみて、ドラムの基本を理解してください。

ドラムのまとめ

  • ドラムの役割は、曲全体の大きなリズムを作る
  • バスドラム、スネア、ハイハットの3つで基本的なリズムパターンを作る
  • 基本パターンにタムやクラッシュ等のフィルを入れ、変化やアクセントをつける

例としていくつかのドラムパターンを作成しましたので聞いてみてください。
全て上で説明した楽器のみを使用しています。
また全てのパターンのテンポは同じです。

■ドラムの例

このドラムパターンのMIDIファイルです。
6つのパターンを連続して打ち込んでいます。
MIDIファイルでは各ノートのベロシティ、特にハイハットのベロシティは全体のノリに大きく関わるので注意して見てみてください。

ドラムサンプル MIDI