コードの作り方

Cメジャーコード

前2ページでメジャースケールとマイナースケールの2つのスケールの説明をしました。
一度にやってしまいましたが、マイナースケールのほうはちょっとだけ横に置いて、メジャースケールの話をします。

さて、コードは3和音を基準に考えると説明しました。
Cメジャースケールの構成音は「ドレミファソラシ」ですね。
この中から3つの音を選んでコードを作りたいと思います。
きれいに響かせるにはどうすればいいでしょうか。

適当に選んだだけではきれいに響くこともあるでしょうし、にごった響きになることもあると思います。
にごった響きは特別な意図がない限りは普通使いません。
きれいに響く音はみんながよく使うので名前がつけられています。

コードの基本は「すぐ隣の音は飛ばして、その次の音を重ねる」ことです。
隣同士など近すぎる音同士は響きがにごりやすく、離れすぎると響かないからです。
例えば「ド」の音を選んだ場合、あと2つ音を重ねるなら

Cメジャーコード

というように「ド」の上に2つ上の「ミ」、さらにその2つ上の「ソ」という3つの音を重ねます。
「ド」の音、つまり「C」の音を基準に音を重ねていったので、このコードはCメジャーコードと呼びます。

キーボード上ではこうなります。
キーボード上でのCメジャーコード

Cメジャーコードは、Cメジャースケールでの基準となるコードです。

Dメジャーコード?

では「レ」を基準として音を重ねていくとどうなるでしょうか。

Dマイナーコード

キーボード上でのDマイナーコード

「レ」の上に、2つ上の「ファ」、さらに2つ上の「ラ」で構成音は「レ・ファ・ラ」となります。
「レ」は「D」になるので、Cメジャーコードのときと同じく「Dメジャーコード」と言いたくなります。
しかしこれは「Dマイナーコード」と呼ばれます。

同じように音を重ねたはずなのになぜ呼び名がメジャーからマイナーに変わるのか?
これにはちゃんとした理由があるのですが、今はちょっと置いておきます。

勘違いしやすいのですが、メジャースケールの曲だからといってメジャーコードしか使ってはいけない、ということではありません。
メジャースケールの明るい曲調の中に、マイナーコードのクールな響きが曲に緊張感を与えるのです。

ダイアトニックコード

どの音から始めればメジャーになるか、マイナーになるかはきちんと決まっています。
下の図を見てください。

Cダイアトニックコード

この図中のコードは全てCメジャースケールの構成音だけで作られています。
これらをCのダイアトニックコードといいます。
CからBまで7つ続き、Bの次はまたCに戻ります。

図の中で赤い枠で囲っている音を基準音とした場合は「メジャー」になり、それ以外を基準音とした場合は「マイナー」となります。
なぜこうなるかはちゃんと理由があるんですが、理屈を覚えるより「1、4、5番目はメジャー、そのほかはマイナー」と覚えてしまったほうが簡単です。

この「1、4、5」番目のコードは、主要三和音とよばれ、コードを組み立てる上で基本となるコードです。
そのほかのコードは副三和音と呼ばれ、主要三和音を補助する役割を持ちます。

Cメジャースケールの主要三和音は「C・F・G」の3つです。
副三和音は「Dm・Em・Am・Bm」の4つです。
実は7番目の「Bm」は本当は「Bm(-5)」というちょっと特殊なコードで、扱いが難しいのであまり使用されません。
ここでは詳しい説明は省きます。

ルート音というのは基準とする音のことです。
コードを構成する音のうち、一番低い音になります。

コードネームというのがコードの名前です。
図中で「Dm」と書かれているのは「Dマイナー」の略で、「Dマイナーコード」を表します。
メジャーの場合は何もつけずに「C」と書き、これで「Cメジャーコード」を表します。

ディグリーネームというのは、スケールの基準となる音から数えた番号です。
Cメジャースケールの場合はCが基準になりますから、Cを1、Dを2、Eを3…という風に番号を割り振ったものです。
ディグリーネームはローマ数字で記述し、マイナーコードには数字の後に「m」をつけてマイナーコードを表します。
何も付いていない場合はメジャーコードです。

Dメジャースケールの場合

今までの説明はすべてCメジャースケールの場合でした。
これ以降はわかりやすいCメジャースケールで説明する事が多くなりますが、他のスケールの場合はどうなるかをちょっとだけ説明します。
以下はDメジャースケールの場合のダイアトニックコードです。

Dダイアトニックコード

Dメジャースケールは、「レ」の音から始めて「全全半全全全半」ですね。
構成音は「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#」になります。
楽譜の最初、ファの位置とドの位置に「#」マークが付いていますが、これは「ファとドの音は半音あげる」という意味です。
「レ・ミ・ファ#・ソ・ラ・シ・ド#」の音と一致しますね。
楽譜上にファ#やド#が出現する度に毎回「#」を書くと楽譜が見にくくなるので、楽譜の最初にまとめて指定しています。
(書き方の決まりなどは飛ばします)

CメジャースケールはCから順に音を並べました。
DメジャースケールはDから順に音を並べます。
そしてCメジャースケールと同じように、「1、4、5」番目の音はメジャーコードに、それ以外はマイナーコードになります。

Dメジャースケールの主要三和音は「D・G・A」の3つです。
副三和音は「Em・F#m・Bm・C#m」の4つです。
ここでも7番目の「C#m」は「C#m(-5)」ちょっと特殊なコードになります。

ここで注目して欲しいのが、キーが変わってもディグリーネームは変わらないということです。
キーが変わっても、「1、4、5」番目は変わらず主要三和音となり、メジャーコードになります。
とにかくこの「1、4、5」番目を覚えておきましょう。

ちなみにDメジャーコードの構成音は「レ・ファ・ラ」ではなく「レ・ファ#・ラ」であることに注意しましょう。

メジャースケール上のコードまとめ

  • コードの基本は3和音で、スケール上の音から3つ選ぶ
  • コードを作るときは、基準となる音からひとつ飛ばしで音を重ねる
  • 基準の音がスケール上の「1、4、5」番目の音ならメジャーコードになる
  • それ以外の音ならマイナーコードになる。
  • 「1、4、5」番目のコードは主要三和音といい、コードを組み立てる基本となる
  • それ以外は副三和音といい、主要三和音を補助する役割を持つ