クロマチックパーカッション類の特徴

クロマチックパーカッションとは木琴や鉄琴のように、それぞれ音階の異なる板などを並べ、それを叩くことで音を出す打楽器の事です。
「鍵盤打楽器」とも呼ばれますが、必ずしも鍵盤状になっているものばかりではありません。
木琴などはバチ(マレット)という棒で演奏しますが、チェレスタのように内部のハンマーが板を叩くもの、オルゴールのように板をはじく事で音を鳴らすものもあります。

グロッケンシュピール・ヴィブラフォン

これらは鉄琴の仲間で、それぞれ構造や大きさが異なります。
音域にも違いがあり、グロッケンシュピールの方が高音部の演奏に適していてます。
ヴィブラフォンは中低域の演奏に適しています。

音色はグロッケンシュピールの方が硬くきらびやかで、ヴィブラフォンは柔らかく中域が豊かです。
ただし音色はマレットの材質によっても変わります。

どちらもマレットを使って叩くので、発音数は通常は両手に1本ずつの最大2音までですが、プロはマレットの4本持ち(2本ずつ)、6本持ち(3本ずつ)で同時に複数の音を鳴らすことができます。

ヴィブラフォンの最大の特徴はその音色にヴィブラートが掛けられることで、これが名前の由来になっています。
ただしここで言うヴィブラートは音程ではなく音量を揺らす効果で、トレモロ効果と言った方がわかりやすいかもしれません。

■グロッケンシュピール・ヴィブラフォンの例

前半がグロッケンシュピール、後半がヴィブラフォンです。
ヴィブラフォンには軽くヴィブラート(トレモロ)が掛かっています。
また、楽器の音域に合うようにヴィブラフォンは1オクターブ下げています。

シロフォン・マリンバ

これらは木琴の仲間で、上のグロッケンシュピールとヴィブラフォンの関係に似ています。
シロフォンが高音域、マリンバが中低域に適しています。
シロフォンの方が硬く、マリンバの方が柔らかい音色になります。

■シロフォン・マリンバの例

前半がシロフォン、後半がマリンバです。
これもマリンバを1オクターブ下げています。

マリンバのような楽器は音が短く、長い音符を演奏することが出来ません。
そのような場合に、同じ音程の音を連続して叩くことで音を延ばすことがあります。
これを「トレモロ奏法」と言います。

■マリンバのトレモロ奏法

同じ音を連続で叩く事で長い音を途切れることなく演奏することが出来ます。

チューブラベル

チューブラベルは「管状の鐘」の意味で、長さ(音域)の異なるベルを並べて吊るし、それをハンマーで叩く事で演奏する楽器です。
某テレビ局の「のど自慢」で、歌の評価の際に鳴らされる鐘で有名です。

■チューブラベルの例