ピアノ類の特徴

ピアノは代表的な鍵盤楽器で、誰もが一度くらいは触れたことがあると思います。
大きく分けて「アコースティックピアノ」と「エレクトリックピアノ」の2種類があります。
構造的に似ている「ハープシコード」「クラビネット」もピアノ類としてまとめられています。

アコースティックピアノ

アコースティックとはここでは「生の」という意味で、電気的な回路を用いない楽器の事を言います。
「生ピアノ」「アコピ」と呼ばれたりします。
「楽器の王様」とも言われるほどポピュラーな楽器です。
古い言い方で「ピアノフォルテ」と呼ばれ、「pf(ピアノフォルテ)」「Apf(アコースティックピアノフォルテ)」などと表記されます。

アコースティックピアノは「グランドピアノ」と「アップライトピアノ」の2種類に大別されます。
グランドピアノはコンサートピアノとも呼ばれ、最も一般的なものです。
奥行きが非常に長く、ここに弦(ピアノ線)が張られています。
鍵盤を押すと音程に対応した「ハンマー」が作動し、弦を叩いて音を出します。
(打弦楽器)
グランドピアノ
© Steinway & Sons

アップライトピアノは省スペースなタイプで、一般家庭にも設置可能なサイズのものです。
奥行きがない代わりに上部に箱のようなものがせり出していて、ここに弦が張られています。
グランドピアノとは音色や演奏感が異なります。
アップライトピアノ
© Steinway & Sons

ピアノはその構造上「鍵盤を押す」「ペダルを踏む」以外の方法で音をコントロールすることができません。
ピアノの弦に直接触れて音をコントロールすることも可能ですが、打ち込みではほとんど再現できません。
(特殊奏法なので普通はやりません)

コントロール方法が少ないので、誰が弾いても(単音であれば)音色的な違いはほぼ無いと言っていいと思います。
しかしプロの演奏家と素人とでは明らかに演奏表現が異なります。
これらの違いはMIDI的な表現で言うと、「ベロシティの付け方」「ペダルの使い方」「発音タイミング」で表現されます。
ベロシティと発音タイミングはピアノ以外の楽器でも重要な要素ですが、ピアノでは特に重要です。

コントロール方法が少ないので打ち込みで再現しやすい半面、演奏技術の巧拙がダイレクトに伝わる楽器と言えます。

ピアノのペダルについて

アコピには通常2つか3つのペダルが付いていて、足で踏んでコントロールします。
最も良く使われるのが一番右側のダンパーペダルで、これはサスティンペダルとも呼ばれます。
このペダルは「踏んでいる間、すべての音が延ばされる」という機能があります。
MIDIではコントロールチェンジ64番「Hold1」でコントロールします。

機能的に似ているペダルにソステヌートペダルがあります。
これも音を延ばすペダルですが、「ペダルを踏んだ瞬間に押されている鍵盤の音だけを延ばす」という機能を持ちます。
ペダルが3本あるピアノでは真ん中に位置し、2本しかないピアノでは省略されるペダルです。
MIDIではコントロールチェンジ66番「Sostenuto」でコントロールします。

一番左端のペダルはソフトペダルと言い、音を柔らかくする機能を持ちます。
アコピは内部にたくさんの弦が張られていて、それをハンマーで叩くことで音を出します。
弦はひとつの音程に付き3本ずつ張られていて、ひとつのハンマーで同時に3本の弦を叩きます。
(低音部は弦が1~2本)
ソフトペダルを踏むと、ハンマーがやや右にずれ、叩かれる弦が2本になります。
3本から2本に減少することで音量が小さくなり、きらびやかさがやや減少することになります。
MIDIではコントロールチェンジ67番「Soft Pedal」でコントロールします。

MIDIでのコントロールについてはこちらも参考にしてください。
ホールドで音を伸ばす

エレクトリックピアノ(電気ピアノ)

アコースティックピアノに対して、電気的な回路を用いて音を出すのがエレクトリックピアノです。
「エレピ」と呼ばれ、「Ep」などと表記されます。

鍵盤を押すとハンマー(またはそれに類似した機構)が作動するのは同じですが、ハンマーは弦ではなく金属板を叩きます。
この金属板の振動をピックアップで拾い、電気的に増幅して音を出します。
電気信号なので、音を出すのにアンプ(スピーカー)が必要になります。
金属板を叩くのではなく「はじく」方式の物、 生ピアノのように弦を張り弦の振動をピックアップで拾うタイプの物もあります。

電気信号を使う特性上、電気信号をコントロールして音を変化させることが可能です。
これを利用したトレモロ効果が良く使われます。

代表的なものにフェンダー・ローズピアノウーリッツァーピアノがあります。

Fender Rhodes Suitcase 88
Fender Rhodes Suitcase 88
© Cliff

電子ピアノ(エレクトロニックピアノ、デジタルピアノ)について

非常に混同しやすいのですが、電子ピアノとエレピは別物です。
電子ピアノはデジタル技術を用いて音を出すタイプのもので、内部的に発音機構は持っていません。
仕組み的にはCDやMP3の再生と同じで、鍵盤を押すとそれに対応した音程・音色のデジタルデータが再生されます。

エレピは鍵盤を押すと内部的にハンマーが作動し金属板を叩いて音を出す、アナログな楽器です。
どちらも電気を使い、紛らわしいので注意してください。

電気ピアノ=エレクトリックピアノ=エレピ
電子ピアノ=エレクトロニックピアノ=デジタルピアノ
と呼ばれるようです。
デジタルピアノをエレピと呼ぶのは間違いですね。

ピアノ類の奏法

上にも書いた通り、ピアノは演奏をコントロールする方法が限られているので、MIDIで再現することはそれほど難しいものではありません。
再現が困難な特殊な奏法というのもほとんどありません。

ここではピアノ特有の、というわけではありませんが良く使われる特徴的な奏法をいくつか紹介します。

グリッサンド

低音から高音にかけて、あるいは高音から低音にかけて鍵盤上で一気に指を滑らせる奏法です。
「ジャラララン!」と派手な印象を持たせる事ができます。

MIDIでは単純に、スタートしたい音程からゴールの音程に向かって短い音符を連続して入力していくだけです。
サスティン(ダンパー)を掛けてもいいです。

とはいえ、タイミングやベロシティなどによって微妙にニュアンスが変わります。
できればMIDIキーボードを使ってリアルタイム入力するのがいいでしょう。
ピアノが弾けなくてもグリッサンドの入力くらいなら出来ると思います。
また、両手を使ってグリッサンドをする場合もあります。

奏法的に黒鍵を使うのは難しいので、曲のスケールにかかわらず白鍵のみで良いでしょう。
(黒鍵グリッサンドもあります)

■グリッサンドの例

装飾音符

ピアノでメロディを弾く時に、適当な箇所で本来のメロディにはない音符をごく短く入れる事があります。
これを装飾音符(装飾音)といい、よりメロディアスな雰囲気になります。
本来のメロディの半音下に付けられる事が多いです。

■装飾音符の例

上の例では1小節目と7小節目の頭に装飾音符を入れています。
通常の「ポン」というピアノの音が「ポロン」という風に装飾されているのがわかると思います。
装飾音符のベロシティは小さめにしてください。

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