ピアノの打ち込みに便利なホールド機能

ホールドは音を延ばす機能です。
ピアノのペダルのうち、一番右側にあるダンパーペダル(サスティンペダル)と同じ働きをします。

ピアノのダンパーペダルは、踏んでいる間は弾いているすべての音が延びる、つまり持続するようになります。
ダンパーペダルを離すとそこで音が切れます。
これと同じように、ホールドオンの間はすべての音が延ばされ、ホールドオフと同時に音が途切れます。

下の図のAでは、2番目の音の途中からホールドをオンにし、5番目の音が終わると同時にホールドをオフにしています。
これはBのように打ち込んだ場合と同様の結果となります。

MIDIのホールド機能

やりやすければ最初からBのように打ち込んでも構いません。

ただし、いくつかの音源ではホールドで音を延ばした場合に音が変化する物があります。
ピアノ専用音源に多く、音の変化だけではなく実際にペダルを踏む音まで収録している物もあります。
このような音源を使用している場合はホールドを使用したほうがリアルな演奏となりますので、活用したほうがいいでしょう。

ピアノで言えば「鍵盤を押しっぱなし」状態にするだけですので、ホールドがオンの間は無制限に音が延ばされる、というわけではありません。
ピアノのような減衰音はいずれ聞こえなくなります。
オルガンのように鍵盤押しっぱなしの間はずっと鳴り続ける音は、ホールドオンの間は音が鳴りっぱなしになります。

ホールド1(Hold1)
メッセージ 設定値 説明
CC64 0~63、
64~127
ホールド オン/オフ
0~63でオフ、64~127でオン

ホールドはコントロールチェンジ64番を使用します。
0~63でホールドオフ、64~127でホールドオンとなります。
音源によっては正しく認識しない可能性がありますので、通常は0か127かのどちらかに設定しましょう。

「ホールド1」となっているように、実は「ホールド2」というものもあります。
効果は異なるのですが対応音源が少なく使われる事はほとんどないので、ここでは説明は省きます。

ソステヌート/ソフトペダル

ピアノには通常2本から3本のペダルがあり、当たり前ですがそれぞれ機能が異なります。

一番左のペダルはソフトペダルと言い、踏んでいる間のピアノの音を柔らかくします。
シフトペダルとも呼ばれます。

真ん中のペダルはソステヌートペダルと言い、ダンパーペダルと機能が似ています。
ダンパーペダルは「ダンパーペダルを踏んでいるときに打鍵している音を延ばす」機能です。
ソステヌートペダルは「打鍵している時にソフテヌートペダルを踏むと、その音が延ばされる」という機能です。
ダンパーペダルのように、ペダルを踏んだ後に新たに打鍵した音は延ばされません。

特にソステヌートペダルはわかりにくいものですが、MIDIで打ち込みする分には特に意識しなくても大丈夫です。
ダンパーペダルはほとんどの音源が対応していますが、ソフトペダルとソステヌートペダルの機能を持った音源はあまり多くはありません。

ソステヌート/ソフトペダル(Sostenuto/Soft Pedal)
メッセージ 設定値 説明
CC66 0~63、
64~127
ソステヌート オン/オフ
0~63でオフ、64~127でオン
CC67 0~63、
64~127
ソフトペダル オン/オフ
0~63でオフ、64~127でオン

使い方はホールド(ダンパーペダル)の時と同じです。
使用している音源がこれらのメッセージに対応しているのなら使ってみてもいいでしょう。