ReaperでのMIDIの打ち込み方
Reaperにはピアノロールエディタが搭載されているので、そのままでMIDIの打ち込みが可能です。
しかし標準のMIDIエディタは使い勝手がいまひとつなので、ReaperはよくDominoと併用されます。
MIDI編集をDomino上で行うには以下のようにします。
※Windows VISTA以降のOSを使用している人で、MIDIファイルの生成が上手く出来ずに打ち込みが出来ない(またはDominoで読み込めない)という人は、ページ下部の「ファイルの管理」に従ってMIDIファイルの生成先を変更してみてください。
Reaper上からDominoを起動する
Reaperを起動し、トラックペインの何もないところで右クリックします。
「トラックを追加」を選択し、新しいトラックを作成します
これがReaperで新規トラックを作成する手順ですので覚えておいてください。
(上部の「トラック」メニューから作成することも出来ます)
前ページを参考に、作成したトラックの「fx」ボタンをクリックし、Synth1をインサートしてください。
今作成したトラックの左のほうに赤い丸印があります。
この丸印の上で右クリックし、一番下にある「MIDI Input」から「In From MIDI Yoke: 1」→「All Channells」を選択します。
この赤丸ボタンはトラックの録音のオンオフボタンで、オンにするとトラックは録音可能状態になります。
また録音ではなく、MIDI信号を受信する場合もオンにする必要があります。
録音ボタン(赤丸ボタン)の上で右クリックすると、トラックの録音ソースを選択することが出来ます。
録音ソースとは、トラックのインプットの設定で、トラックに何を録音するのかの設定です。
このトラックはDominoからのMIDI信号を受信したいので、「MIDI Yoke: 1」から送られてくる全てのチャンネルを受信する設定にします。
「All Channels」を選択したら、録音ボタンをクリックして録音可能状態にします。
録音オンにすると、トラックの幅が少し広くなって、新たなボタン類が現れます。
一番左にスピーカーのアイコンがあり、最初は赤で×印がついていて録音の音が出ない設定になっています。
このスピーカーアイコンをクリックして×印を外します。
これで「MIDI Yoke: 1」に送信されたMIDI信号はReaper上のトラック1に送られるようになります。
次にReaperでMIDIデータを作成します。
上部メニューの「挿入」から「新規MIDIファイル」を選択します。
すると選択中のトラックに(この場合はトラック1しかないのでトラック1に)空のMIDIデータが作られます。
これはMIDIデータの入れ物となる箱で、正式名称は知りませんがこのサイトでは「MIDIパート」と呼びます。
今作成されたMIDIパートの上で右クリックし、「エディタで開く」を選択します。
初期設定でDominoで開くように設定しておいたのでDominoが起動します。
Dominoが起動するとき、以下のようなメッセージが表示されることがありますが「いいえ」でかまいません。
もし何かしら問題が発生する場合は「はい」にを選択してください。
Reaper上からDominoが起動されます。
あとはDominoでいつものようにMIDIデータを打ち込みます。
Dominoの初期設定で、DominoのMIDIの出力先は「MIDI Yoke: 1」に設定したので、ピアノロール上で右クリックするとReaper側で立ち上げた「Synth1」の音がなります。
打ち込み終わったら「ファイル」メニューから「SMF書き出しの再実行」を選択します。
これで今打ち込んだMIDIデータがReaper側に反映されます。
※注意:「SMF書き出しの再実行」のコマンドがない場合はDominoを最新版にアップデートしてください。
SMFの書き出しをしたらDominoを終了します。
変更を保存するかどうかを尋ねられますが「いいえ」を選択してください。
Dominoを終了しReaperに戻ると、空だったMIDIパートにDominoで打ち込んだMIDIデータが反映されています。
再生すると、Dominoで打ち込んだデータがSynth1で演奏されます。
ReaperでのMIDIやオーディオなどのデータの扱いは少し独特で、タイムライン上に表示されたMIDIパートを見てみると、へこんでいる箇所があります。
これはMIDIパートの終端を表します。
Reaperでは、MIDIパート内にある実際のデータよりもReapar上のMIDIパートが長い場合、中のMIDIデータを自動で繰り返します。
ドラムなどの一定のパターンの繰り返しが多い場合は便利な機能ですが、繰り返しの必要がない場合は「へこみ」がなくなるまでMIDIパートを短くします。
このようにしてReaperとDominoを連携させます。
もちろんDominoを使わずともReaperのみでMIDIを入力してもかまいません。
自分が使いやすいと思うほうを使用してください。
ファイルの管理
Reaperのファイル管理は少し独特で、Reaperのプロジェクトファイル(○○.rpp)にはMIDIデータが含まれません。
MIDIデータは外部からMIDIファイルを読み込む形になります。
Reaper上で作ったMIDIデータも、外部にMIDIファイルを書き出し、それを再度読み込んでいるようです。
そのため、ReaperでMIDIパートを作っていくと、作ったパートごとにMIDIファイルが生成されます。
どこに作られるのかというと、標準ではReaperのインストールフォルダです。
これではちょっとファイル管理がたいへんですし、VISTA以降のOSを使っている人はこの関係でエラーが発生することがあります。
(Program Files以下のフォルダへのアクセス権がないためMIDIファイル等が生成できない、Dominoからファイルにアクセス出来ない)
なので、プロジェクトごとに必要なファイルをひとまとめにしておきましょう。
まずエクスプローラー上で(通常のWindowsのフォルダとかファイルとかを操作する画面で)、Reaperのプロジェクトファイルを保存する場所を作っておきます。
自分の分かりやすいところでかまいません。
今回はマイドキュメントに「Reaper Project」というフォルダを作り、そこにReaperのプロジェクトファイルやMIDIファイルなどを保存することにします。
(Reaperは海外製ソフトなのでフォルダ名やファイル名には日本語を使わないほうが良いかもしれません。)
その後Reaperを起動し、「ファイル」→「別名で保存」を選択します。
するとファイル保存ダイアログが開くので、先ほど作った「Reaper Project」フォルダに移動します。
ファイル名はプロジェクト名を入力します。
(ここでは「test」という名前にしています)
そして「プロジェクトのためのサブディレクトリを作る」のチェックをオンにします。
「保存」をクリックすると、「Reaper Project」フォルダの中に新たに「test」というフォルダが作られます。
「test」フォルダを開くと中には「test.rpp」というReaperプロジェクトファイルが作成されています。
これで、このReaperプロジェクト上で作成されるMIDIファイルはこの「test」フォルダの中に自動的に作成されるようになります。
新規に曲を作るごとに新たにフォルダを作り、その中に必要なデータを全て保存することで管理が容易になります。