Proteus VXとは
フリーのVSTiを導入のページでは「Synth1」というフリーのVSTiをインストールしました。
Synth1のプリセットサウンドを選んで使用するだけでもいいですが、アナログシンセという特性上、どうしてもシンセ的な音色しか出ません。
打ち込みをする曲のジャンルにもよりますが、生楽器の音も欲しいところです。
そこでもう少し生楽器っぽい音が出るシンセを導入してみましょう。
Proteus VXは、生楽器の音やシンセの音色など、全部で1024種類の音色を搭載したマルチティンバー音源です。
(マルチティンバー:同時に複数の楽器を演奏できるシンセのこと)
GM対応ではないのですが、これだけの音色を搭載したフリーのシンセはなかなかありません。
扱い方が難しく感じるかもしれませんが、導入しておいて損はありません。
ダウンロード
Proteus VXはダウンロードが少々面倒です。
E-MUという会社の製品なのですが、ニュースレター(メルマガみたいなもの)の登録をしなければなりません。
そのため適当なメールアドレスを用意してください。
(フリーメールで十分)
以下のサイトにアクセスします。
http://www.creative.com/emu/proteusvx/
※2011/9/4追記
ダウンロードページに変更があったようで、メールアドレスの登録等はしなくても直接ダウンロードできるようになったみたいです。
ページ下段の「Proteus VX Free Download 65.1MB」をクリックすればダウンロードが始まります。
いちおう下記手順も残しておきます。
サイト中段あたりにある「Here」をクリックします。
メールアドレスを入力する欄が表示されますので、アドレスを入力して「continue」をクリックします。
受け取るニュースレターの選択画面が表示されます。
右のほうにある「Subscribed」というチェックボックスをオンにして「submit」をクリックします。
登録完了の画面が表示されます。
下のほうに「Click HERE to receive Proteus VX FREE!」と表示されますので、「HERE」の部分をクリックします。
画面下のほうに「Proteus VX Free Download 65.1MB」と表示されますので、クリックするとProteus VXのダウンロードが開始されます。
ファイルサイズが65MBありますので、環境によってはダウンロードに結構時間がかかります。
気長に待ちましょう。
そのすぐ下には英語のマニュアルがありますが、65.1MBの中に含まれていますので別にダウンロードしなくてOKです。
インストール
ダウンロードしたファイルはZIPで圧縮されています。
解凍すると、フォルダの中にさらに「ProtVX」というフォルダがあります。
この中の「Setup.exe」をダブルクリックするとインストールが始まります。
インストールは例のごとく「次へ」をクリックしていくだけでOKですが、一つだけ注意点があります。
インストール中に「VSTプラグインのインストール先」を指定する項目があります
これをReaperで設定したVSTプラグインフォルダを指定して下さい。
(このサイトでは「C:\Program Files\Steinberg\VSTPlugins」に設定しています)
「次へ」をクリックするとインストールが始まります。
最後にデスクトップにショートカットを作成するかを聞かれますので「はい」を選択してください。
以上でインストールは終了です。
Proteus VXの起動
Proteus VXは、VSTプラグインとしての動作以外にスタンドアロンで動作します。
スタンドアロンとはプラグインのように何かのアプリケーション上で動作するのではなく、それ単体で動作するソフトのことです。
先ほどデスクトップにショートカットを作成したので、デスクトップ上にあるショートカットをダブルクリックすればProteus VXが起動します。
※VISTA以降のOSを使用している人は、初回起動時のみアイコンを右クリックして「管理者として実行」でProteus VXを起動してください。
そうしないと音色ファイルの読み込みに失敗してしまいます。
失敗して起動してしまった場合はProteus VXをアンインストールし、インストールしなおさなければなりません。
起動にはしばらく時間がかかります。
起動すると、こんな感じの画面が表示されます。
左側は音色の一覧です。
右側がProteus VXの本体です。
左側で音色を選び、右側で詳細な設定をします。
起動に成功したら、Proteus VXを終了してください。
次はスタンドアロンではなく、Reaper上でVSTiとして起動します。
VSTiとしてProteus VXを起動
※重要
ReaperでProteus VXを起動すると落ちる、安定しないという人は以下の設定を行ってください。
これでフリーズ回避、安定動作する可能性が上がると思います。
Reaperの「オプション」→「設定」を開き、MIDIの設定を開きます。
右側の「有効にしたいMIDI出力」の項目から、「Out To MIDI Yoke:1」チェックをオンにします。
(MIDI Yokeを有効にしているチャンネルすべてをチェックしてください)
Reaperを起動し、トラックペインの何もないところで右クリックします。
「トラックを追加」を選択し、新しいトラックを作成します。
作成したトラックの「fx」ボタンをクリックしてエフェクターの設定を開きます。
左側で「VSTi」を選択し、VSTiのみに絞り込みます。
VSTiに新しく「Proteus VX」が新しくReaperに追加されていますので、選択します。
Proteus VXがReaper上で起動します。
スタンドアロンの場合は起動時に音色ファイルが自動で読み込まれましたが、VSTiとして起動した場合は読み込みが行われません。
なので音色ファイルの読み込み作業を行います。
Proteus VXの「File」メニューをから「Open」を選択します。
Proteus VXの音色ファイルを開きます。
音色ファイルの場所は「C:\Program Files\Creative Professional\E-MU Sound Central\Proteus X Composer v2.0.1.exb」です。
64BitOSの場合は「C:\Program Files (x86)\Creative Professional\E-MU Sound Central\Proteus X Composer v2.0.1.exb」です。
(標準のインストール先の場合)
「Proteus X Composer v2.0.1.exb」というファイル名です。
音色ファイルを開く前に、この「Proteus X Composer v2.0.1.exb」ファイルを複製してバックアップを取っておくことをおすすめします。
操作を誤ってファイルを上書きしてしまっても、バックアップから元の状態に戻すことが出来ます。
ファイルを開くと音色の読み込みが行われます。
読み込みには少し時間がかかります。
音色ファイルの読み込みが完了し、Proteus VXが使用可能な状態となります。
次回からは「File」メニューに一度開いたファイルの履歴が登録されますので、これを選択することで音色ファイルを開くことが出来ます。
Proteus VXの設定を変更した状態でReaperを終了すると以下のようなメッセージが表示されます。
これは変更を保存するかを尋ねられているのですが、通常は「No」を選択してください。
Yesを選択すると「Proteus X Composer v2.0.1.exb」に変更が記録されてしまいます。
Yesを選択する場合はきちんと意味を理解した上で変更を記録してください。
Reaperの運用について
Reaperのプロジェクトファイルを保存する際、トラックの録音ボタンをオフにしておくことをおすすめします。
ReaperでProteus VXを起動すると環境によっては安定せず、トラックの録音をオンにしたままだとReaperが起動しなくなる可能性があります。
もしこの問題でReaperが起動しなくなった場合は以下の方法を試してみてください。
- 「C:\Documents and Settings\(ユーザー名)\Application Data\REAPER」を開く
(Vista以降のOSの場合は「C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Roaming\REAPER」) - 開いたフォルダにある「REAPER.ini」をテキストエディタで開く
- 文字列中から「lastproject=」と記述されている行を探す
- その行の「lastproject=」以降の文字を削除する
- 「REAPER.ini」を上書き保存して閉じる
「REAPER.ini」というのはReaperの設定ファイルで、この中にReaperの起動時に自動で読み込むプロジェクトファイルが設定されています。
起動時に読み込むプロジェクトファイルに問題があるためReaperが起動しなくなるというわけです。
設定で「最後のプロジェクトをスタートアップ時に読み込む」のチェックを外しておくとこの問題を回避できます。
この方法でReaperは起動するようになりますが、開けなくなったプロジェクトファイルは元には戻せません。
出来るだけファイルの保存時には全ての録音ボタンをオフにしておくことをおすすめします。
また起動は出来て、プロジェクトファイルも開けるが再生ボタンをクリックするとフリーズしてしまうという場合は、再生する前に設定画面で以下の「停止時もFX処理を行う」のチェックをオンにすると再生が可能になる可能性があります。
毎回起動するたびに、
- Reaperを起動し「停止時もFX処理を行う」のチェックをオフにする
- プロジェクトファイルを開く
- Proteus VXが起動していなければ起動させる
- 設定画面で「停止時もFX処理を行う」のチェックをオンにする
という手順を踏むなどの運用が必要になってきます。
(「停止時も~」のチェックがオンのままだとファイルが開けない場合がある)
この辺りのことは環境によるため明確な解決策がないので、安定しない場合はいろいろと設定をいじってみてください。
「REAPER.ini」にはReaperの設定が保存されていますが、Reaper起動時にこのファイルがない場合、自動でReaperがファイルを作成します。
つまり「REAPER.ini」を削除すればReaperを初期化できます。
何らかのエラーが発生してどうしようもなくなった場合は「REAPER.ini」を削除したり名前を変更するなどすると問題が解決することがあります。
Reaperの初期設定が完了して、安定した状態になったら「REAPER.ini」のバックアップを取っておくといいかもしれません。
問題が発生した場合、バックアップから設定ファイルを上書きすれば安定状態に復元できます。
どうしてもReaperでProteus VXが安定しない人は
設定を色々いじっても安定しない、フリーズする…。
という人はReaper上でProteus VXを起動することはあきらめましょう。
あくまでReaper上で起動するのをあきらめるだけで、ReaperからProteus VXを使う方法はあります。
Proteus VXはスタンドアロンで起動できて独自のMIDIの入力設定ができるので、MIDI YokeさえあればReaperからProteus VXにMIDI信号を送ることができます。
まずデスクトップ等のショートカットからProteus VXを起動させます。
「Option」メニューの「Preferences」を選択します。
もし起動時に「オーディオの設定が出来ていないぞ」と英語で表示されていた場合は、「Audio」タブから適当なオーディオデバイスを設定してください。
よくわからなければ「DirectSound」で構いません。
「MIDI」タブの「Ch.1-16」を「In From MIDI Yoke:1」に設定します。
これでProteus VXはMIDI Yoke1からのMIDIメッセージを受け取る事ができるようになります。
この状態でDomino単独で起動しMIDIを打ち込むとProteus VXの音が鳴るはずです。
(Dominoの環境設定→MIDI-Outputの設定で、MIDI Yoke1に設定している事を確認)
次にReaperからProteus VXにMIDI信号を送る必要があります。
Reaperの「オプション」メニューから「設定」を選択します。
「MIDI」の設定を開き、「有効にしたいMIDI出力」で「Out To MIDI Yoke:1」のチェックをオンにします。
これでReaperからMIDI Yoke1にMIDI信号を出力できるようになります。
次に新規トラックを作成し、トラックのI/O設定を開きます。
(I/O=インプット/アウトプットの略)
下の方の「MIDI Hardware Output」に「Out To MIDI Yoke:1」という項目が表示されていますので、これをオンにします。
これでこのトラックのMIDI信号はMIDI Yoke1に出力されるようになります。
後はいつも通りMIDIデータを打ち込み再生するとReaper・Domino・Proteus VXの3つが連携出来るようになります。
この方法の欠点としては
- Proteus VXを2台同時に使う事が出来ない
- Reaper上からエフェクトを掛けることができない
などが挙げられます。