アンサンブル類の特徴

アンサンブルとは「合奏」の意味で、複数の同じ楽器を同時に演奏した音色の事です。
GM音源ではストリングスのアンサンブルのほか、シンセストリングス、ヴォイス(人の声)、オーケストラヒットが収録されています。

ストリングス

ほとんどストリングスカテゴリで説明した通りです。
GM音源ではヴァイオリンやチェロといった分類はなく、すべてのストリングス類の合奏の音色として収録されています。
そのため楽器の音程をほとんど気にすることなく打ち込みできます。

高級な音源やストリングス専用音源などではヴァイオリンのみの合奏、ヴィオラのみの合奏といった風に楽器ごとのアンサンブルが収録されているものもあります。
もちろんこちらの方がよりリアルになります。

MIDIでの打ち込み

ストリングスの音色の中にはアタック(音の立ち上がり)が遅いものもあり、「Slow Strings」などの音色で音源に収録されていることがあります。
こういった音色をシーケンサーのテンポ通りに打ち込みすると、数値上ではジャストタイミングでも発音が他の楽器よりも遅れてしまいノリが悪くなることがあります。

これを解消するには、シーケンサー上で音符を前にズラしてやります。
ゆっくりした立ち上がりから一番音量が大きくなるところを、他の楽器のテンポと合うように調整するわけです。

ストリングスの合奏は厚みがありますが、より生っぽさが欲しい場合はストリングスカテゴリのソロのヴァイオリン等の音色を薄く足すことで生っぽさを演出する事ができます。

■ストリングスの例

前半がソロ楽器による演奏、後半がアンサンブルによる演奏です。
左から順に「1stヴァイオリン」「2ndヴァイオリン」ヴィオラ」「チェロ」、真ん中やや右に「コントラバス」の配置です。

シンセストリングス

ストリングスの合奏の音色をシンセサイザーで再現したものです。
あまり生楽器っぽさを出したくない時に使用するといいでしょう。

ヴォイス

人の「アー」とか「オー」とかいう発声を収録した音色です。
コーラスと言った方がわかりやすいかもしれません。

人の声は打ち込みでは再現が苦手な分野で、特にDTM用の音源に収録されている音色ではリアルな人のコーラスにはなりません。
コーラスに特化した音源でない限り、面白い音色のひとつとして捉えたほうがいいかもしれません。

オーケストラヒット

オーケストラで使用される楽器すべてを一斉に鳴らした音色です。
「ジャン!」という分厚く派手な音が鳴ります。
楽器というよりはサウンドエフェクトの部類です。
オーケストラルヒットとも呼ばれます。

面白い音色なのですが、これを使うとダサくなりやすくなるという諸刃の剣です。
わざとダサさを演出するために使用されることもあります。

音源によってはいくつかのバリエーションが収録されていて、楽器編成を色々変えたりシンセの音色を使ったりしたものなどもあります。

■オーケストラヒットの例