アナログシンセの仕組み

仕組みを説明するにあたって、文章だけよりも実際にいじったほうが理解しやすいと思います。
適当なアナログシンセがない人はSynth1というソフトシンセがお勧めです。
VST環境がない人は初心者講座八章 VST環境の導入を参考に環境を作ってください。

Synth1は標準的なアナログシンセの機能を一通り搭載しており、いくつかのエフェクターも搭載している有名なVSTプラグインです。
アナログシンセの音作りがわからない人でも、最初から用意されているプリセット音色を選択するだけでそれなりに扱えます。

アナログシンセの基本回路

アナログシンセの最も基本的な回路は以下の3つです。

VCO
ボルテージ・コントロールド・オシレーター
基本となる波形を発振(発音)する
音程、音色に関係
VCF
ボルテージ・コントロールド・フィルター
波形にフィルターを掛ける
音色、音量に関係
VCA
ボルテージ・コントロールド・アンプリファイアー
音量をコントロールする
音量、音色に関係

「ボルテージ・コントロールド」というのは「電圧で制御される○○」という意味で、特に深い意味はありません。
単純にオシレーター、フィルター、アンプとも言います。

まずVCOで基本となる音を発音し、VCFで加工し、VCAで音量が決定され、実際の音として出力されます。

多くのアナログシンセは、VCOが2つ以上搭載されています。
さらに音作りの幅を広げるために以下のような回路があります。

LFO
ロー・フリークェンシー・オシレーター
低い周波数を発振するオシレーター
それ自体を音とするのではなく、VCOやVCAなどを操作するためのもの
他の音を操作することを変調(モジュレーション)という
Noize Generator
NG
ノイズ・ジェネレエーター
ノイズを発生させる回路
Envelope Generator
EG
エンベロープ・ジェネレーター
音に時間的な音量変化を付ける
アタック(Attack)、ディケイ(Decay)、サスティン(Sustain)、リリース(Release)を操作
それぞれの頭文字を取ってADSRとも言う
Ring Modulator
RM
リングモジュレーター
2つ以上のVCOを搭載しているアナログシンセに搭載されているエフェクター
2つ以上のVCOを持つ機種で、2つのVCOを掛け合わせることで通常発音できない音色を作り出すもの
Cross Modulation
クロスモジュレーション
2つ以上のVCOを持つ機種で、一方のVCOを変調用に使うことで通常発音できない音色を作り出す機能
これが出来る機種はそれほど多くない

どの回路がどれだけ搭載されているかはシンセの機種によって異なります。
ここに書かれていない機能が搭載されているものもあります。

アナログシンセの基本的な回路を図にすると以下のようになります。
アナログシンセの基本回路

一見難しそうに見えますが、それほど複雑ではありません。
VCO、VCF、VCAを基本として、LFOやEGで音作りの幅を広げます。

Synth1では以下のように対応します。
synth1_VCO,VCF,VCAその他

リングモジュレーターはVCOセクションに、ノイズジェネレーターはVCO2の波形のひとつとして用意されています。