コードを頼りにアコギを打ち込む
前ページでキーはGマイナーと特定できたので、これを頼りに耳コピを進めていきましょう。
打ち込み手順は人それぞれと前にも書きましたが、当サイトではとりあえずイントロをある程度完成させてしまおうと思います。
ドラムとベースを先に全部打ち込んでしまっても構わないのですが、ひとつのパートだけを延々と耳コピするのは作業的に単調になりがちで、モチベーションが維持できなくなる事があります。
一カ所を作り込むことで、一部とはいえ曲として聞けるものが出来るのでそこそこテンションが上がります。
ドラム、ベースの次はアコギ(アコースティックギター)を打ち込みます。
ギターのようなコードを演奏する楽器を完成させると、楽曲全体のコード進行をつかむことができ、その他の聞こえにくい音の推測に役立ちます。
ギターはベースに比べて音数が多いのでやや大変ですが、アルペジオ奏法なのでひとつひとつは単音であることと、大まかなコード進行がわかっていることから難易度はそれほど高くないはずです。
聞き取りにくい箇所もいくつかあるかと思いますが、わからなければとりあえず推測で埋めてしまってかまいません。
音色は003:019「FullNylon」です。
先にベースを打ち込みましたが、ベースは「コードのルート音を演奏する(事が多い)」のが基本です。
ベースの音程と、スケールの音とを合わせて考えるとコード進行が把握でき、アコギのアルペジオの音もかなり絞り込む事ができます。
ほとんどの音はGマイナースケール上の音、すなわち
- G(ソ)
- A(ラ)
- B♭(シ♭)
- C(ド)
- D(レ)
- E♭(ミ♭)
- F(ファ)
のどれかになります。
最初の2小節のベースはE♭です。
ベースがルート音になる事が多いので、E♭をルートとしてGマイナースケールの構成音でコードを組み立てると、「E♭、G、B♭」の「E♭メジャー」となります。
ただしE♭メジャーで確定ではなく、あくまで第一候補です。
実際の音を良く聞いてコードを確定させましょう。
良く聞くとD音も入っているようです。
このコードは「E♭、B♭、D」音で構成されていることがわかります。
このような構成のコードはないので、これは第3音(ルートから3度の音)のG音が省略されているものと考え、「E♭、G、B♭、D」のE♭メジャーセブンスと推定します。
後々違和感が出てなければこれで確定です。
このようにしてコードを特定していきます。
コードの特定は別にしなくても、単純に聞こえる音をコピっていけば耳コピは可能です。
全部のコードを特定するのは面倒なので、音が聞き取りにくい場合などに音を推測するために必要な場合だけでも構いません。
ちょっと特殊なコードの登場
6小節目までは同様の方法で打ち込みできますが、7・8小節目に少し特殊なコードが登場します。
7小節目はベースがG音なので「G、B♭、D」が基本の3和音となります。
しかし実際の音は「G、C、D、F」になっています。
F音はセブンスと推測できますが、C音をどうするかが問題になります。
B♭音が省略され、11度の音(C音)を重ねたものと考えることもできなくはないですが、このコードは「G7sus4」が正解です。
これはsus4(サスフォー)コードといって、三和音の真ん中の音は省略されているのではなく半音上げた構成音になります。
sus4は同じキーのメジャーコードに進行する事を期待させる効果があります。
絶対ではありませんが、多くの曲はそうなっています。
「解決を遅らせる」とも言われます。
この曲では「E♭maj7→Dm7→G7sus4→G」という進行になっています。
本来の(sus4を用いない)進行は「E♭maj7→Dm7→Gm→Gm」ですが、7小節目を「G7sus4」に変え、それに伴い8小節目を「G」に変えることで、8小節目で「解決した」という感じを出すことができます。
GメジャーコードはGマイナースケールの構成音から外れるので注意してください。
構成音に含まれないから耳コピが間違っているというわけではありません。