とりあえずイントロを完成させる

ドラム、ベース、アコギと、主要な楽器の打ち込みはひとまず終わりました。
これらのパートは今後打ち込んでいくうちに気になる箇所が出てきたら、その都度修正していきましょう。

キー、スケール、コード進行がほぼ特定出来たので、後の打ち込みはこれを頼りにしていけばずいぶんと楽になります。
後は聞き取りやすい楽器から順番に打ち込んでいきます。

※小さめの画像はクリックで拡大します。

ストリングス

ストリングスの打ち込み

ストリングスは高音パートと低音パートの2本あります。
低音パートは聞き取りづらいと思いますが、音源をイコライザー等で調整しながら頑張って聞き取ります。
左右の定位は決まっているわけではありませんが、オーケストラの配置に倣って高音が左、低音が右に配置されることが多いです。
(上図では2パートを一度に表示しているので色が異なります)

さらにこの曲では高音パートのトラックを複製し、音色と音量を変えて右側に配置しています。
こうすることで音に広がりを持たせる事が出来ます。

※まったく同じ音色の音を右と左に配置すると、定位は2つの音のちょうど真ん中になってしまいます。
そのため音色を変えるかイコライザーなどで音質を調整する必要があります。
音色によっては発音タイミングを調整することもあります。

音色は003:085「Sectioned」(高音パート)
003:097「Velo Mrcato」(低音パート)
003:084「Section」(高音パート右)

グロッケン、チェレスタ、ベル

ベル系の打ち込み

2小節目から入ってくる金属的できらびやかな音色で、イントロのメロディを担当しています。
原曲は正直どういう楽器構成なのかは不明ですが、耳コピ音源では3つの楽器を合わせて再現しています。

グロッケンは正式には「グロッケンシュピール」と言い、鉄琴の仲間です。
この曲では左端に配置しています。

チェレスタはピアノのような鍵盤楽器で、ハンマーが弦の代わりに金属板を叩いて音を出します。
この曲では右端に配置しています。
ストリングスの時に左右に配置したのと同じように、左右の広がりを得られます。

ベルは、それ自体が指すものは幅が広いですが、ハンドベルのような物を想像してください。
金属系の音色全般を指してベルと言うこともあり、グロッケンなどもベルと呼んだりすることもあります。
ベルは真ん中に配置し、グロッケンとチェレスタを補強しています。

それぞれ配置と音量は異なりますが、ノート(音符)情報は同じものです。

冒頭の「チャララ~ン」という音は上図のように短い間隔で低音から連続で鳴らすことで再現します。
スナップ(DominoではTickクォンタイズと呼ぶ)がオンの状態だと位置の微調整が出来ないのでスナップをオフにするか、スナップの基準長をごく短くするか、イベントリストから直接発音タイミングを数値で調整します。
スナップをオフにする

発音間隔が短いと音程を聞き取ることはなかなか難しいですが、スケールの構成音とその小節のコード音から導き出します。
たとえばCメジャーコードなら「ドミソド」や第三音を抜いた「ドソド」などが多いです。
この曲ではGマイナーコード(ソ、♭シ、レ)で、「レソレ」となっています。

音色は007:021「Hard Vibes」(グロッケン)
007:053「TV Spy Vibes」(チェレスタ)
007:054「Velo Vibes」(ベル)
(Proteus VXにはグロッケンやチェレスタがないため代用)

エレピ

エレピの打ち込み

エレピは(この曲の場合は)全体のハーモニーを支えるパートです。
ただコードを演奏するだけでなく、要所要所でフレーズを演奏します。

あまり主張する音色ではないですし、他の楽器に混ざって聞き取りづらいと思います。
このようなパートの耳コピは、一番聞こえやすい音からコピーしていき、後はコードの構成音から音程を類推します。

エレピに限らず、コード楽器はその一番上の音程(トップノートと言う)が一番目立ちます。
次は大体一番低い音程でしょうか。

2つの音程が採れたらとりあえず再生して音を確認してみましょう。
もし何か物足りなく感じたら3和音であると仮定して、コードの構成音とすでに採った2つの音程から残りの音程を適当に打ち込んで、再生して音確認してみます。
違和感がなければそれでOK、もし違和感があるなら違和感がなくなるまで音程を変えてみましょう。

音色は000:061「Classi EP2」

マリンバ

マリンバの打ち込み

マリンバは木琴の仲間です。
一般的な木琴であるシロフォンよりも木が大きく厚みがあり、叩く棒(ばち、マレット)の先端も柔らかい素材でできています。
それによりシロフォンよりも柔らかな音色になります。

この曲ではかなり音量が小さめで、かつ音数が非常に多い(アルペジオ)ので耳コピがかなり困難です。
アルペジオなのだから基本的にコードの音を分散して叩いているのですが、この曲はどうも微妙に違うようで…。
出来るだけ聞こえる通りに再現しましたが、サンプル音源の耳コピは微妙です。
どうしても聞こえない音はどうしようもないので不自然にならない程度にアレンジを加えてしまうことも時には必要です。

音色は007:030「Marimba」


以上でイントロの耳コピはすべて終了です。
結構ざっくりと説明してきましたが、慣れないと難しい部分もあると思います。
イコライザーを駆使するなどしてじっくりとコピーしていきましょう。

この8小節を聞き返してみて、気になる箇所があれば微調整しておきましょう。
音程の耳コピ以外にも、音量、ベロシティ、エクスプレッション、リバーブ等の調整もしておくと完成度があがります。
ただし残りの箇所を打ち込むとバランスが変わる事があるのでほどほどにしておきましょう。