DTM関連用語集 ら行
ら
り
- リアルタイム入力
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MIDIの打ち込み方法のひとつで、シーケンサーを再生しながらリアルタイムにMIDIキーボードなどを演奏し、録音すること。
録音といってもオーディオデータではなくMIDIデータを記録する。当然のことながらある程度ピアノなどの楽器を弾けないとリアルタイム入力は難しい。
ある程度弾けるならリアルタイム入力後、クォンタイズを掛けるなどしてデータを修正したり、テンポを落として録音した後に元のテンポに戻すなどの方法がある。全く弾けないならステップ入力にするか、マウスでポチポチとデータ入力していくしかない。
- リーディングノート
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スケールの基準音の短2度下(半音下)の音から基準音に進行するときに強い終止感を感じる。
この基準音の短2度下の音をリーディングノートという。
日本語では導音という。
基準音・終止感を導く音、という意味。メジャースケールでは基準音のすぐ下の構成音は短2度の音程で、これがリーディングノートとなっているため安定感がある。
マイナースケール(ナチュラルマイナースケール)では基準音のすぐ下の構成音は長2度の音程でリーディングノートとならないため、安定感や終止感が不完全である。
これを解決するためにメロディックマイナースケールとハーモニックマイナースケールがある。 - リズム隊
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楽曲を構成する楽器のうち、主にリズムを担当する楽器のこと。
リズム体とも記述される。
ドラムやパーカッションの打楽器のほか、リズムに大きく影響するベースもリズム隊に分類されることが多い。 - リバーブ
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エフェクターの一種。
原音にホールなどで演奏したような残響音を付加する。
簡単に言うとトンネルやお風呂場のあの音の響きを作り出すエフェクター。
シミュレートするだけでなく、単純に残響音を付加することで抜けをよくしたり音に艶(ツヤ)を与えることが出来る。
主な種類にコンサートホールをシミュレートした「ホールリバーブ」、ホールよりも小さな部屋をシミュレートした「ルームリバーブ」、スタジオのプレートリバーブをシミュレートした「プレートリバーブ」などがある。似たエフェクターに「ディレイ」があるが、こちらはいわゆる山びこ効果をシミュレートするもの。
だが両者の動作原理はほとんど同じで、ディレイタイムを短くして何度も繰り返し鳴るように設定するとリバーブになる。
リバーブとディレイをあわせて空間系エフェクトという。 - リミッター
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エフェクターの一種。
入力された信号が、設定された音量(スレッショルド)を超えないようにする。
動作原理としてはコンプレッサーと同じだが、コンプレッサーはスレッショルド以上の信号をレシオ値に従って減衰させる。
つまりスレッショルド値以上の音量が出力されるが、リミッターはスレッショルド値以上の音は出力されない。
コンプレッサーのアタックタイムを「0msc」、レシオを「∞(無限大):1」に設定すればリミッターと同じ動作になり、コンプレッサーとしてもリミッターとしても使用できる機材もある。主にマスタートラックの最後に指して音圧を稼いだり、放送などで絶対に既定のレベルを超えてはならない現場などで使用される。
- リリース
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音源がノートオフメッセージを受信してから完全に音が消えるまでの部分、または時間。
リリースが長い音色の場合、鍵盤を離しても音が鳴り止まないため次の音に被ることになる。
パッド系の音色などはリリースが長いものが多い。またコンプレッサーなどのエフェクターのリリースタイムの設定を指す。
単位は「msec」(ミリセカンド、1000分の1秒)
コンプレッサーの場合、入力信号がスレッショルド値を超えた後、スレッショルド値を下回った時に抑制を解除するまでの遅延時間を設定する。
単発の音の場合はリリースタイムをどのように設定してもあまり変化はないが、連続して発音する音(ギターカッティングなどのフレーズ)の場合、リリースタイムが遅すぎると次の音に被ることがある。
この「被り」が音楽的に良い方向に働く場合と良くない方向に働く場合があるので、設定を調整しながら耳で確かめるのがよい。
る
- ルート
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コードを構成する音のうち基準となる音のこと。
Cメジャーコードの場合は「ド」Eマイナーコードの場合は「ミ」がルート音となる。
コードを転回させていない場合(基本形)の一番低い音がルート音となる。
れ
- レゾナンス
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シンセサイザー、特にアナログシンセに搭載されている機能で、カットオフフィルター付近の周波数の音を強調する。
レゾナンスを使用するとクセのある音を作ることが出来る。
またVCFを使用するか発音中にカットオフフリーケンシーを変更することでシンセサイザー独特の「ミョーン」「ミャウ」といった音を作ることが出来る。
- レイテンシ
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機器に信号を要求してから要求の結果が返されるまでの遅延時間のこと。
DTM関連では、DAWに音の再生を要求してから実際に発音されるまでの遅延時間のことを指す。
特にソフトシンセにノートオンメッセージを受信してから実際に音として発音されるまでの遅れのことを指す。
レイテンシが大きいとソフトシンセをリアルタイムに演奏するのが困難となる。
大体20~30msec(msecは1000分の1秒)程度なら問題ないとされるが、このレベルの遅延でも気になるという人はいる。
レイテンシにはオーディオインターフェイスとCPUが関係する。
性能の良いオーディオインターフェイスを使うとレイテンシを少なくする(レイテンシを詰める)ことが出来る。
10msec以下に設定出来ればほとんど無視できるレベルである。
しかしレイテンシを少なくしても、CPUの処理が間に合わないと音にブチブチとノイズが乗ってしまう。
この場合はいくら性能の良いオーディオインターフェイスを使用していたとしても設定でレイテンシを大きくする必要がある。
レイテンシの設定は「バッファサイズ」という項目で設定することが多いので、このバッファサイズを大きくすればノイズは収まるがレイテンシは大きくなる。またオーディオインターフェイスのレイテンシとは関係なく、プラグイン自体が大きなレイテンシを持っているものもある。
そのプラグインを使用するとハードウェアの性能に関係なくレイテンシが発生する。
コンプレッサーやリミッターなどに時々ある。
- レガート
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前後の音を滑らかにつなぐ奏法のこと。
バイオリンや管楽器などの音が持続するような楽器で使用される。打ち込みでは何も考えずにベタ打ちすると、四分音符なら四分音符の最大の長さを指定することになる。
つまりこれは(楽器の種類にもよるが)レガート奏法で演奏していることになるが、意味もなくレガート奏法を使用するとダラダラとした締まりのない印象になってしまう。
実際の演奏では四分音符は四分音符でも、わずかに短く演奏して前後の音をつながないことで歯切れをよくしている。音の種類によっては単純に音符の長さを最大にするだけでなく、次の音符にわずかにかぶせる、逆に短めにするなどして調整する。
- レシオ
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コンプレッサーのパラメーターのひとつ。
入力された音量がスレッショルド値に達したとき、どれだけの割合で音量を抑制するかを設定する。
設定値は「2:1」や「3:1」といった比率で設定する。
「2:1」の場合、スレッショルドを超えた分の音量を半分にする。
「3:1」なら3分の1にする。
全体の音量でなく、スレッショルドを超えた分の音量を抑制させることに注意。■スレッショルドとレシオ
- レベル
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音の大きさのこと。
PEAK値とRMS値の2種類がある。
PEAK値は「最大瞬間音量」を表し、これが一瞬でも0dBを超えた場合は(気にならない範囲だとしても)音割れが発生していることになる。
RMS値は「平均音量」を表し、細かい算出方法は省くが、これが大きいほど音圧(音量ではない)が高いということになる。PEAK値は録音する時や最終出力時など、レベルオーバーしては困る作業時に使用される。
レベルオーバーはノイズの原因となるからである。
しかしレベルオーバーを避けるために、あまりに小さなレベルで録音などをしてしまうと逆に音質の劣化を招いてしまう。
PEAK値でレベルオーバーが発生しないギリギリの大きさが理想。PEAK値は瞬間的な音量を測ることは出来るが、一瞬大きな音が鳴ったとしても他が小さい場合は音圧が低くなる。
このためピークメーター上は大きな音を指していても音が小さく聞こえる場合がある。
つまり「機械的な音量」を見るのには最適だが実際に聞こえる音量とは違いがある。RMS値は一定時間の音量の平均レベルを表す。
一瞬大きな音が鳴ってもRMS値は大きく変化しないため、実際の聴感上の音圧感に近い値を指す。
ミックス時やマスタリング時に、音圧を測るために使用される。
ろ
- ロー出しハイ受け
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低いインピーダンスの機器から高いインピーダンスの機器へ接続すること。
インピーダンスの異なる機器同士を接続する際の鉄則。
これが逆になると(ハイ出しロー受け)、音質が変化する可能性が高い。 - ローランド
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ヤマハと並び、日本を代表する楽器メーカー。
主にシンセサイザーなどの電子楽器、ギター、ベース用のエフェクターなどを製造している。
ブランドがたくさんあり、BOSSやEDIROLなどもローランドのブランド。DTM関連ではGM規格を独自に拡張したGS規格を制定したことで有名。
一時期、ヤマハが制定したXG音源と熾烈なシェア争いをしていたが、実質的なシェアはGSが多かったと言われている。
中でもGS対応MIDI音源「SC-88シリーズ」は大ヒットし、GSの優位を決定付けた製品といえる。
GMの正当な拡張規格であるGM2が制定されてからはGSもXGも影を潜めている。
しかしGM2もそれほど普及しているわけではない。ハードウェア関連ではギターアンプの「JC-120(Jazz Chorus)」通称ジャズコが有名。
スタジオには必ずといっていいほど置かれている。
ギターエフェクターでは「OD-1」などのコンパクトエフェクターが高い評価を受けている。
またリズムマシンの「TR-808」「TR-909」はダンスミュージックの定番中の定番ともいえる音で、1980年代発売と古い機材にも関わらず現在でもこの音色を模した音がよく使われている。
ローランド以外の音源にもこの音色が収録されていることが多い。
TR-808は「やおや」の愛称で呼ばれている。
他にはベース用シンセサイザー「TB-303」などが有名。音源モジュールでは上記「SCシリーズ」が有名。
その後継に「SDシリーズ」がある。
プロ向けの製品には「JVシリーズ」「XVシリーズ」最近では「Fantomシリーズ」などをリリースしており、いずれも高い評価を受けている。