DTM関連用語集 あ行

アウトボード

外付けのハードウェアのことで、機能を拡張するためのもの。
一般的なミキサーにはイコライザーやコンプレッサー程度のエフェクターは付いていても、その他リバーブなどのエフェクターは搭載していない。
そのため外部にハードウェアエフェクターを用意することによって機能を拡張する。
当然ミキサー付属のエフェクター以外のものを使いたい場合もアウトボードを使用する。

DTM用語としては、上記の外部エフェクターを使用する以外に、DSPを搭載した機材などをパソコンに外付けして使用する場合これをアウトボードと呼ぶことがある。

アコースティックギター

ギターの種類のひとつで、音を出す際に電気的な増幅を必要としないもの。
電気が必要なエレクトリックギターに対してこう呼ばれる。
アコギ。

GM音源ではPC25番の「ナイロンギター」、PC26番の「スチールギター」がそれにあたる。
違いは張られている弦の種類で、ナイロン弦はクラシックギターに、スチール弦はフォークギターに張られている。

アタック

音の立ち上がりの部分のこと。
アタックが強いほどくっきりとした音として聞こえる。

またコンプレッサーなどのエフェクターではアタックタイムの設定のことを指す。
コンプレッサーではあらかじめ設定した値(スレッショルド)よりも大きな音が入力されたとき音を抑制して出力するが、スレッショルドが超えてから抑制を開始するまでの遅延をアタックタイムで設定する。
単位は「msec」(ミリセカンド、1000分の1秒)
このパラメーターを調整することによりアタック部分を押さえたり、逆にアタックを強調することが出来る。
(当然他のパラメーターの設定も必要)

■スレッショルドとアタックタイム
スレッショルドとアタックタイム

圧縮フォーマット(あっしゅくフォーマット)

デジタルデータのデータ量を削減する(圧縮する)ときの形式のこと。
音楽ファイルではMP3が有名で、利用率も最多と思われる。
他にもAACやOGG、WMAなど様々な形式がある。
音質ではAACが優れているとか、いろいろ言われているが自分の耳で確かめて満足がいくものならどれでもいい。
iPodなどの携帯プレイヤーでは再生できない形式もあるので注意。

圧縮により音質が変わるのを気にする人がいるが、とにかくいい音で聞きたいと言うのなら圧縮しないで聞いたほうが良い。
それでも圧縮する場合は圧縮フォーマットうんぬんよりも、高ビットレート(256kbps以上)にすると良い。
ダウンロード販売などで最初から圧縮されている場合はどうしようもないが、そういう場合はモニター環境を改善することで音質改善が期待できる。
特にiPodなどに最初から付いてるような安物イヤホンや、PC用の安物スピーカーでは圧縮フォーマット以前の問題である。
また電車や車中、街中などで聞く場合は周囲の雑音で圧縮フォーマットによる音質の差などはまず分からない。
というか、遮音性が特別優れていないイヤホンで、音質の違いが分かるほどの音量で音楽を聴き続けると難聴の危険性がある。
それに周囲への迷惑となるのでやめましょう。

上で説明したMP3などの圧縮フォーマットは、基本的に人間の耳では聞こえない音を削ることによりデータ容量を小さくする「不可逆圧縮」(非可逆圧縮)と呼ばれる形式である。
これに対し、パソコンのZIPファイルのように完全にもとのデータに復元可能な「可逆圧縮」という圧縮方式もある。
可逆圧縮は不可逆圧縮ほどデータ容量は小さくならないが、再生時にデータを無圧縮に復元して再生するため音質は(理論上は)無圧縮と同じ。
可逆圧縮では「Monkey's Audio」などが有名。

アナログ

連続した物理量を持つデータ方式。
対義語としてデジタルがあるが、これはアナログデータを一定の間隔でサンプリングして数値で表現できるようにしたものである。
デジタルには最小単位があるが、アナログは際限なく細分化することが可能である。

例えばデジタル時計には100分の1秒などの最小単位が存在し、それよりも細かい時間は表現できない。
0.01秒の次は0.02秒となり、0.015秒などは計ることが出来ない。
しかし現実の時間には0.015秒は確かに存在するはずである。
デジタル時計は、アナログである「時間」を、実用に支障がない範囲でデータを切り捨てているといえる。
アナログ時計はそういった最小単位はなく、1000分の1秒だろうが1億分の1秒だろうが表現することが出来る。
それを人が見分けることが出来るかは別の話だが、アナログ時計は確かにそれらの時間を表示している瞬間がある。
100分の1が最小単位のデジタル時計の場合、無限に細分化できるアナログな「時間」を、100分の1秒の精度でサンプリングしているといえる。

パソコンなどのコンピューターはアナログデータを扱うことは出来ないため、サンプリングにより数値化してデータを扱う。
このサンプリング精度が細かいほどアナログデータを忠実に再現できるが、その分データ量も多くなる。
忠実といっても、人間がその差を認識できないだけで実際にはアナログをデジタルで完全に再現することは不可能。
だが実際問題として差が分からないならそれで十分といえる。

アナログシンセ

シンセサイザーのうち、発振器にアナログ回路を用いているもの。
代表的な方式は「減算方式」で、これはオシレーターと呼ばれる発振器から発生する単純な音(矩形波、ノコギリ波など)の倍音成分をフィルターで削り、音を作る。
音を削るから「減算」方式。
これだけでは作れる音の幅が少ないので、普通はオシレーターを二基以上搭載していたり、LFOやエンベロープジェネレーターなどの音を加工する機能が搭載されている。

減算方式以外には「加算方式」や「FM方式」などがある。
加算方式はオルガンのように「倍音成分を加算していく」ことにより音を作る。
FM方式はオシレーターを2基以上搭載し、1基は実際に音を発音し、残るオシレーターは音を加工する目的で使用する(加工用のオシレーターの音は発音されない)。

アボイドノート

演奏を避けるべき音程のこと。
和音の構成音(コードトーン)の半音上の音がアボイドノートとなる。
その他、コードの第三音とトライトーンとなる音程もアボイドノートに含める。
CM7はF、Dm7はB、Em7はFとC、FM7は無し、G7はC、Am7はF、Bm7b5はC、がそれぞれアボイドノート

アボイドノートは「回避音」であるが、絶対に演奏してはいけないわけではなく、メロディに短く含める等であれば使用できることが多い。

ドミナントコード上ではアボイドノートが異なり、11th以外の音程は使用できる。

アルペジオ

コードの構成音を一音ずつ分散して弾く奏法。
分散和音。
ピアノやギターなどのコード楽器でよく用いられるほか、単音しか発音出来ない楽器でもアルペジオ奏法を用いることによりコード感を得ることが出来る。

アルペジオの例。
前半はコードストローク、後半がアルペジオ奏法。

■アルペジオ奏法の例

アンバランス接続

オーディオケーブルの接続方式のひとつ。
詳しくは→バランス接続を参照。

アンプ

音量を増幅する装置。
CDプレイヤーなどについているボリュームつまみなどもアンプの一種。
アンプリファイア(amplifier)の略。

マイクを接続する「マイクプリアンプ」、ギターを接続する「ギターアンプ」、ベース用の「ベースアンプ」、スピーカーに音を出力する「パワーアンプ」、ヘッドフォンに音を出力する「ヘッドフォンアンプ」などの種類がある。
「アンプ」といえば「ギターアンプ」を指すことが多いが、そうでないときも多々あるので注意。

アンプシミュレーター

ギターアンプやベースアンプなどをシミュレートした機材。
専用のハードウェア製品や、ソフトウェア製品などがある。
アンプというのは要するに大きなスピーカーなので、家庭環境で使用すると騒音となるし置き場所も取る。
アンプシミュレーターを使用すれば手軽にアンプを通したかのようなギターサウンドを得ることが出来る。
本物のギターアンプを忠実に再現したものからオリジナルのものまで様々な種類がある。

イコライザー

エフェクターの一種。
EQ(イーキュー)やフィルターとも呼ばれる。
入力された音の周波数特性を変化させることにより音を作る装置。
(本来はマイクなどの機材ごとの特性によって変化した音質を元に戻すための装置)
周波数特性というと小難しいが、要するに低音を削ったり高音を強調したりといった具合に、音域ごとに音量を変化させることが出来る。
指定音域の音量を上げることを「ブースト」、音量を下げることを「カット」という。
方式によっていくつか分類がある。

  • シェルビング:指定した周波数よりも上または下の周波数全てを調整するタイプ。
    低い周波数のほうを「LSF(ローシェルビングフィルター)」、高い周波数のほうを「HSF(ハイシェルビングフィルター)」という
  • ピーキング:指定した周波を中心に調整するタイプ。
    調整する幅は「バンド幅(Q)」というパラメーターで設定する。

■シェルビングタイプのイコライザー
シェルビングタイプのイコライザー

■ピーキングタイプのイコライザー
ピーキングタイプのイコライザー

上記はパラメトリックイコライザーと呼ばれるタイプのもので、ハイとロー2つのシェルビングを持つものや、シェルビング2つとピーキング2つの4バンドEQなどが一般的。
そのほかにグラフィックイコライザー(グライコ)と呼ばれるタイプのものもある。
これはあらかじめ全ての周波数帯域をいくつかに分割し、それぞれにフェーダーを割り振って調整できるようになっている。
どちらかというとPA(ライブなどの音声担当)で使われることが多い。

位相(いそう)

音などの一定の周期で繰り返されるものについて、特定の場面における位置を表すもの。
言葉で説明しても意味不明だが、レコーディング/ミキシング作業においては割と重要なもの。

オーディオにおいて位相とは、ある波形Aと別の波形Bとの信号の時間差と考えると良い。
音というのは基本的に重ねれば重ねるほど音量が上がっていく。
しかし位相にズレがあると、音を重ねてもあまり音量が上がらないことがある。
これは音と音との波形の形の関係で、お互いの音を打ち消し合っているために起こる。
位相による音の打ち消し合い

上図は極端な例だが、位相にズレがあると「何となくすっきりしない」「音抜けが悪い」という印象の音になる。
位相のズレは楽器などの音の発生源とマイクとの距離によって起こる。
位相にズレが生じている場合は、マイクの位置を変えて録音し直すほか、ミキサー卓などについている逆位相スイッチをオンにすることで解決する場合もある。
逆位相とは、波形の振りの上下を反転させる機能。
逆位相

イベントリスト

MIDIデータを再生時間順にリスト状に並べて視覚的に見ることが出来る機能。
ノート情報やCC、PCなどMIDIに含まれる全てのデータの閲覧、編集を行える。
基本的には数値指定だが、テキストデータを打ち込む場合もある。
シーケンサーにはほぼ間違いなく搭載されている。
ソフトによって「リスト」「リストエディタ」など呼び方が変わる。

インサーションエフェクト

エフェクターの接続方式のうち、直列に接続して原音を直接加工する方式。
DAWではオーディオトラックに直接エフェクターを立ち上げる
(インサートする)

通常、空間系エフェクトはセンドエフェクト、それ以外はインサーションエフェクトとして使用することが多いが、特に決まりがあるわけではない。
原音を残しておきたいならバスを使用し、センドエフェクトを使用するとよい。

インサート

トラックにエフェクターを直接立ち上げること。
インサートすることを「差す(さす)」ともいう。

エフェクターをインサートすると、ミキサーに入力されたオーディオ信号はエフェクターを通り、再びミキサーに返される。
最終的にミキサーから出力されるオーディオ信号はエフェクターで加工された音となる。
つまりトラックにエフェクターをインサートすると原音が直接加工される。
原音を加工したくない場合はセンドエフェクトを使用する。

通常、一つのトラックには複数のエフェクターを立ち上げることができ、これらは順に直列で接続される。

DAWでも同様にオーディオトラックにエフェクターを立ち上げることができる。
一部のDAWはエフェクターだけでなく、ソフトシンセもオーディオトラック上に立ち上げるものがある。

インスト(Inst,Instrumental)

インストゥルメンタルの略。
インストゥルメンタルとは英語で楽器のことで、人による歌唱を用いず楽器のみで構成された音楽のこと。
しかしオーケストラなどはあまりインストとは呼ばれない。

インピーダンス

電気抵抗のこと。
厳密には電気抵抗とは異なるらしいが音響関係ではそういう理解で問題ない。

電気抵抗が高いと電圧を高く取れる。
電圧が高いということは少ない電流で大きな電力が得られる。
(オームの法則)
ただしノイズに弱くなるという弱点がある。

オーディオ機器同士で信号をやり取りする場合、インピーダンスが合っていないと音質に変化が生じる可能性がある。
これを合わせるためにDIなどの機器を使用して接続する。
詳しくは→インピーダンスマッチング

インピーダンスマッチング

接続するオーディオ機器同士のインピーダンスが合っていること。
または合わせること。

インピーダンスとは電気抵抗のことで、これが異なると電流の流れやすさが変わることになる。
出力側が抵抗の低い「ローインピーダンス」で、入力側が抵抗の高い「ハイインピーダンス」の場合はほぼ問題ない。
オーディオ機器同士の接続はこの「ロー出しハイ受け」が鉄則となっている。
(もちろん同じインピーダンス同士で接続可能ならそれが一番良い)

しかしこれが逆になると音質が変化する可能性がある。
(ハイ出しロー受け)

ミキサーやオーディオインターフェイスはノイズに強くするために抵抗の低い「ローインピーダンス」になっている。
一方でエレキギターなどは少ない電流で大きな出力を得るために「ハイインピーダンス」になっていることがほとんど。
つまり、ギターのライン出力をそのままミキサー等に接続すると「ハイ出しロー受け」となり、音質劣化が生じる。
これを解消するのがインピーダンスマッチングで、DI(ダイレクトボックス)という機器を間に挟むことでインピーダンスを低くできる。
ギターのコンパクトエフェクターなどには「ロー出し」になる製品も多く、その場合はDIは不要。

オーディオインターフェイスには「Hi-Z」という端子がある製品もあり、ここにはギターなどのハイインピーダンスの信号をそのまま接続できる。

歌モノ(うたもの)

人の歌唱をメインに置いた楽曲のこと。
歌物と書くこともある。
ボーカル曲。
J-Popなどのポピュラーミュージックはほとんどがこれ。
楽器の演奏のみの曲のことをインストという。

打ち込み(うちこみ)

MIDI音源で音を再生するためのデータを作成すること。
また、そうして作られた音楽の形態。
打ち込みによって作られた音楽は打ち込み系ともいう。
MIDIに限らず機械に音を奏でさせることを打ち込みというが、普通は打ち込み=MIDIと考えてほぼ間違いない。

エクスプレッション

MIDIのコントロールチェンジメッセージのひとつで、演奏中の音量変化を設定する。
GMではCC11番で、127が最大音量となり、0にすると音が出ない。
CC7番の「ボリューム」はチャンネル全体のボリュームを設定するときに使う。
対してエクスプレッションはバイオリンやトランペットなどの、時間による音量変化が重要な楽器を再現するときに使われる。

エフェクター

入力された音に対して何らかの変化を与える装置。
単純に音量を変化させるだけのものはエフェクターではなくアンプ。

入力レベルを制御する「コンプレッサー」「リミッター」
特定の周波数帯のレベルを増減させる「イコライザー」「エンハンサー」
過度なレベル増幅により音を変化させる「オーバードライブ」「ディストーション」
残響音を付加し空間を演出する「リバーブ」「ディレイ」など。

このうち空間系エフェクト(リバーブなど)はインサートよりセンドエフェクトとして使用されることが多い。
アウトボードの機材も用いられるが、DTMではVST等によるプラグインエフェクトがよく使われる。

エレクトリックギター

ギターの種類のひとつで、音を出す際に電気的な増幅が必要なもの。
電気が必要でないアコースティックギターに対してこう呼ばれる。
弦の振動をピックアップという装置で電気信号に変換して音を出す。
エレキ、エレキギター。

大別して歪み系とそれ以外(クリーントーン)に分けられる。
歪み系とはオーバードライブ等のエフェクターや、ギターアンプに過大な信号を入力することによって音を歪ませて得られるギターサウンドのこと。
クリーントーンとは音を歪ませずに作るギターサウンド。

GM音源ではPC27~29がクリーン系、PC30~PC32が歪み系のギターとなる。

エンハンサー

エフェクターの一種。
高音域を際立たせることが出来る。
イコライザーで高音をブーストさせるのとはまた違った音となり、音の抜けがよくなったり元気な音にしたり出来る。
とても便利で重宝するが、使いすぎると耳に痛い、疲れる音になるので注意。
動作原理としては音を歪ませて倍音成分作りだして(強調して)原音と混ぜるらしい。
似たようなものとしてエキサイターがあるがどう違うのかは謎。

エンベロープ

音は、発音開始(ノートオン)から発音終了(ノートオフ)までをいくつかのパートに分けることが出来る。

  • アタック(Attack):ノートオン後、発音開始から最大音量に達するまでのパート
  • ディケイ(Decay):アタックからサスティンレベルに達するまで音が減衰するパート
  • サスティン(Sustain):ノートオフまでの間、音が持続するパート
  • リリース(Release):ノートオフ後、完全に音が消えるまでのパート

これらの一連の音量変化のことをエンベロープという。
それぞれの頭文字を取って「ADSR」と記述されることもある。
なお英語で「envelope」なのでエンベローが正しいのだが、エンベローと間違って発音、記述されることも多い。

■エンベロープ
パルス波

エンベロープジェネレーター

シンセサイザーで、VCO(オシレーター)などによって発音された音にエンベロープを付加する機能。
EG(Envelope Generator)と略される。
アタック、ディケイ、リリースの3つは時間の設定であるが、サスティンは持続するときの音量の設定となる。
それぞれの楽器にはエンベロープに違いがあり、例えば打楽器やピアノ、ギターなどの減衰音にはサスティンがない。
(設定をゼロにする)

基本はADSRの4つだが、機種によってはADRの3つだったり逆にパラメーターを増やして5つ設定できるものもある。
(その場合はメーカー独自のパラメーターとなる)

またVCFにエンベロープジェネレーターを掛けることが出来るものもある。
アタック部、リリース部などの箇所ごとにフィルターの掛かり具合を設定でき、アナログシンセ特有の「ミョーン」「ミャウ」といった音色を作ることが出来る。

王道進行(おうどうしんこう)

コード進行のうち、頻繁に使用される進行のこと。
万人受けしやすく、メロディを乗せることも割りと容易。
テレビなどで流れる曲を意識して聞いてみると、結構な割合で王道進行が使われている。

オーギュメントコード

和音の一つで、不協和音とされる。
構成音は「ルート・長3度・増5度」となる。
使用する機会はあまり多くないが、上手に使うとアレンジに幅が出来る。
オーグメントコードともいう。

■オーギュメントコードの構成音
オーギュメントコードの構成音

オーディオ

いろいろな意味があるが、DTMの場合MIDIに対する言葉として使われることが多い。
MIDI信号は、MIDI音源に対しての演奏情報のみを持つデータで、それ自体には実際の音は含まれていない。
MIDI音源がなければMIDI信号は音を再生することが出来ない。
対してオーディオ信号は実際の音を電気信号にしたもので、それ自体が音であるため他に特別な装置なしで音を再生することが出来る。
(デジタル信号の場合はアナログ信号に変換する必要がある)

MIDI音源にMIDI信号を入力すると実際の音として再生されるが、これはMIDI音源がMIDI信号を解釈しオーディオ信号に変換しているといえる。
(厳密には変換ではないが、そういうイメージ)

オーディオインターフェイス

パソコンから音を出力するための装置。
名前が長いので「オーディオI/F」や「A/I」と略記されることもある。

役割はサウンドカードと同じだが、カード型でないものや、高級機材などを指してこう呼ばれることが多い。
詳しくは
サウンドカードを参照

オーディオサンプル

4小節程度のドラムパターンやギターのリフなどの音楽のパーツが収録されたオーディオファイル。
詳しくは
サンプリングCD

オーディオトラック

DAW上で、オーディオを扱うトラックのこと。
MIDIを扱うトラックはMIDIトラックという。

オーディオファイル

MP3やCDなど、実際の音を収録したファイル。
(ここでいう「ファイル」とはパソコン等の機器で扱うデータのこと)
実際の音は収録されないMIDIファイルに対してこう呼ばれる。
WindowsでMIDIファイルを再生すると、何も設定をしていなければMSGSで再生される。
MIDIファイルも他のオーディオファイルと同じように音楽が再生されるため、パソコンに詳しくない人は時々「MIDIは音の悪いMP3」などと思っていたりするが、これは間違い。

Windowsでは「Waveフォーマット(.wav)」、MacOSでは「AIFFフォーマット(.aiff)」が使われる。
これらは無圧縮形式のオーディオファイルだが、圧縮ファイルであるMP3やAAC、OGGなどもオーディオファイルの種類のひとつである。

オートパン

パンの設定値を自動的に変化させること。
またその装置。
それ専用のエフェクターというよりエフェクターの出力にオートパン機能がある場合が多い。
シンセサイザーではLFOを使用して設定出来ることが多い。

オーバードライブ

音を過大に入力することにより生じる歪み。
転じて歪みを得られるエフェクターを指す。
特にギターエフェクトでよく使用される。

似たエフェクターに「ディストーション」がある。
両者の違いは、オーバードライブは音の過大入力により歪ませるのに対して、ディストーションは音を歪ませるための回路(クリッピング回路)を通すことにより歪みを得る。
歪ませる原理が違うのだが、音としてどっちがどっちというのは割りと難しい。
一般的に激しく歪んでいるのを「ディストーション」、それほど歪んでいないのを「オーバードライブ」と言ったりするが、必ずしも正しくない。

オカズ

フィル

オクターブ

ある音から8度離れている音程のこと。
「C4」の1オクターブ上の音は「C5」になる。
反対に1オクターブ下は「C3」になる。
MIDIデータ上ではノートナンバーが12上、または下の音。

またドからシまでの12の音程を一まとめにしてオクターブと呼ぶことがある。
例えば「ミと、同オクターブ内のソの音」という場合、ミから3度上のソを指す。

オケ

ボーカル曲で、ボーカル以外のパートのこと。
カラオケ。
またオーケストラのことをオケという。

オシレーター

アナログシンセの回路の一つで、音を作りだす発振器。
多くのアナログシンセではサイン波、三角波、矩形波などの基本的な波形を発振することが出来る。
アナログシンセでは「VCO」(ボルテージコントロールドオシレーター:電圧制御発振器)と表記される。

オシロスコープ

アナログ信号を視覚的に表示する装置。
音響関連では、目に見えない「音」を視覚的に確認することができる。
単純な波形なら形を見ただけでどのような音かは分かるが、音楽制作に使用されることはあまりない。
ステレオの広がり具合(位相)を確認するために、マスタートラックの出力をオシロスコープで確認できる製品もある。

オブリガート

メロディを引き立たせるために演奏されるフレーズ。
メロディが途切れる箇所や、曲の場面が変わる直前などに短く挿入されることが多い。
またメロディが演奏されている裏で演奏される「裏メロディ」もオブリガートと呼ばれる。
どちらにしてもメロディとの調和と掛け合いが非常に重要となる。

音圧(おんあつ)

2つの異なる音があり、両者を同じ音量で再生したとき一方が他方よりも大きな音で鳴っていると感じる場合、音圧が大きい、音圧が高いと表現する。
CDによって音量が違って聞こえたり、テレビでCMになったとたんに音が大きくなるのは音圧が違うからである。
音量と混同することが多いが、例えば2つの音が共にデジタルでの最大音量(0dB)で収録されているとする。
しかし両者に音圧の差がある場合、聴感上の音量は異なって聞こえる。
これは音を波形にして見ると分かるのだが、音圧の大きい音は音圧の小さい音に比べて波形の谷間が小さく、音がつまっている。
つまり音量が下がる暇がなく常に大きな音が鳴るため、音量が大きく聞こえる。
ちなみに音圧が高いほど波形全体を見たとき四角形っぽくなっていき、非常に音圧の高い波形を海苔波形などといったりする。

人間は、音圧が小さい音よりも大きい音のほうが良い音に聞こえる傾向がある。
正しくは音圧というよりも、大きな音量で聞いたほうが良い音と感じる。
そのため一時期は音圧戦争とも呼ばれるほど競って音圧を大きくしていた。
ボリュームツマミが一定なら音圧が大きいほうが良い音に聞こえる、または目立つなどの理由で音圧をあげるのだが、過度に音圧をあげると演奏のダイナミクスや音質が損なわれてしまう。
今は音圧戦争は若干落ち着いて来ている(ような気がする)。

音階(おんかい)

スケール

音楽の三大要素(おんがくのさんだいようそ)

「メロディ」「リズム」「ハーモニー」の3つ。
ポピュラーミュージックでは主にドラムやパーカッションなどが「リズム」を、ピアノやギターなどが「ハーモニー」を、ボーカルなどが「メロディ」を担当する事が多い。

必ずしもひとつの楽器がひとつの役割ではなく、例えばピアノソロ曲ではすべての要素をピアノ一台で満たす。
また歌唱パート(メロディを担当)はメロディの要素だけでリズムの要素はない、などという勘違いする人がいるが、歌唱にもリズムの要素がある。
発音するタイミングのほかに、音を切るタイミングによってノリが変わってくるので、リズムも重要な要素となる。
あくまでも「主として担当する要素」として分類しているので、完全にひとつの要素だけを担当するパートというのは少ない。

音感(おんかん)

音を聞き分ける能力で、多くの場合は音の高低に関する感覚を指す。
相対音感と絶対音感に分けられる。

  • 相対音感:ある音の高低を、別の基準となる音との相対的な差により聞き分けることが出来る能力。ほぼ全ての人が持っていると考えられる。
  • 絶対音感:ある音を聞いたとき、相対音感のように別の基準音を必要とせずに瞬時に音の高低を聞き分けることが出来る能力。

絶対音感があれば、曲を聞いただけで演奏できたり、キーの変更などに即座に対応できたりと何かと有利ではある。
絶対音感は確かにすごいのだが、音楽をやる上で絶対的なプラスになるとは言えない。
むしろ人によっては日常生活での全ての音が音符となって聞こえるため、ストレスが溜まったり神経質になったりするらしい。
絶対音感は幼少時の環境が左右するらしく、ある程度の年齢になると身に付けることが出来ない。
相対音感は訓練次第で鍛えることが出来る。

なお、音痴な人は音感が悪いのかというと必ずしもそうではない。
頭の中では正確な音の高さを捉えることが出来ていても、発声が下手なため音痴になってしまうケースもある。
発声も訓練次第で上達させることが出来るので、音痴は直せる。

以上のほかには音の長さ(テンポ)に対する感覚、音色を聞き分ける感覚なども音感と呼ぶ。

音源(おんげん)

DTMではMIDI音源を指す。
広義にはCDやマスターテープなども音源という。
MIDI音源

音叉(おんさ)

叩くことで特定の周波数の音を発するU字型の器具。
楽器のチューニングに使用する。
多くは440Hzの音を出すが、音楽によっては442Hzなどの微妙に異なるチューニングをすることもあるため、それ用の音叉もある。

音程(おんてい)

2つの音があるとき、それぞれの音の高さの差のこと。
基準とする音を1度とし、1オクターブ離れた音を8度と数える。

  • 1度。完全1度ともいう。
  • 2度。差が半音1つの場合は短2度、半音2つの場合は長2度。
  • 3度。半音3つの場合は短3度、半音4つの場合は長3度。
  • 4度。半音5つの場合は完全4度、半音6つの場合は増4度(または減5度)。
  • 5度。半音7つの場合は完全5度。
  • 6度。半音8つの場合は短6度、半音9つの場合は長6度。
  • 7度。半音10個の場合は短7度、半音11個の場合は長7度。
  • 8度。半音12個で完全8度となる。一オクターブ上(下)の同名音。

9度以降は2~8度の繰り返しとなる。
(9度は1オクターブ+2度と考える)

音部記号(おんぶきごう)

音符の音の高さを指定するための記号。
五線譜上の音符の位置が同じでも音部記号が変われば音の高さが変化する。
よく使われるのはト音記号とヘ音記号で、ポピュラーミュージックでは大体この2つで事足りる。
ほかにハ音記号などがある。

■音部記号と音の高さ
音部記号と音の高さ

音符の長さ(おんぷのながさ)

MIDIではゲートタイムのこと。
ゲートタイム

音楽全般では四分音符や八分音符などで音符の長さを表す。
4/4拍子の曲では一小節に四分音符が4つ入る。
八分音符だと8つ入る。
3/4拍子では一小節に四分音符が3つ入る。
八分音符だと6つ入る。

音の長さ