パンで音をステレオにする
パンとは音の左右の定位のことで、パンポットの略です。
ほとんどの音楽は左右2つのスピーカーで音像を再現するので(ステレオ音源)、左右のどのあたりから音が鳴るかを楽器個別に設定します。
メッセージ | 設定値 | 説明 |
---|---|---|
CC10 | 0~64~127 |
音の左右の定位を設定する |
コントロールチェンジ番号10番を使用してパンを設定します。
設定値は0で左端、64で真ん中、127で右端となります。
(シーケンサーによっては「-64~0~63」や「-63~0~64」と表示されるものもありますので注意してください)
どの楽器を左右のどの位置に配置するかは決まりはありませんが、ある程度のセオリーはあります。
左右の広がりを意識しながらいろんな音楽を聴いててみましょう。
DAW上でソフトシンセを使用している場合、パンの設定はソフトシンセ側ではなくDAW側のミキサーで行うことがほとんどです。
(マルチティンバー音源の場合は出力の関係でソフトシンセ側のパン設定も使用します)
中にはパンのメッセージを受け付けない音源もあります。
オートパン
通常は、例えば真ん中にドラムやボーカル、左にピアノ、右にギターなどといった具合に左右の定位を決めてしまってからはそこから動かすことはありません。
しかし、演奏中にパンの設定を変化させることで面白い効果を出すことが出来ます。
以下がその例です。
ドラムとベースが真ん中にあって、少し左からピアノが鳴っています。
シンセの音色を聞くと、最初は左で鳴っているのが次第に右へと移動していくのがわかるでしょうか。
わかりにくい場合はヘッドフォンで聞いてみると良くわかります。
このようにパンの値を周期的に動かすことをオートパンと言います。
オートと言っても自動で動くわけではなくペンツールや直線ツールといったもので自分でパンの動きを書いていきます。
一定のパンのパターンを書いたら後はそれをコピーするといいでしょう。
■オートパンの例
VSTインストゥルメントなどGM非対応の音源ではパンの設定がなく、コントロールチェンジ10番を受け取らないものもあります。
その場合はDAW側で音源からの出力音のパンの設定をオートメーションで変化させるか、オートパンのエフェクターを掛けることで実現します。