ベースの役割

ドラムの次はベースを見ていきましょう。

ベースという楽器は知っていても、前面に出てくることが少ないため、どういうものなのかよくわからないという人もいるかもしれません。
形はギターとほとんど同じで、弦の本数がギターが基本6弦なのに対してベースは4弦です。
「ベースギター」と呼ばれることもあり、ギターの仲間です。
そしてギターよりも1オクターブ下の音域が出ます。

曲中では主に低音域を担当し、ドラムと共に曲のリズムやノリ、全体の雰囲気を作ります
ベースは見た目ギターに似ていますし、確かにメロディを弾くことも可能ですが、曲中ではリズムに関わる部分が大きいので、リズム楽器として分類されることが多いです。
またコード(和音)のルート音を演奏することが多く、楽曲のコード感にも関わってきます。
ルート音とは、「ドミソ」という和音があった場合の最低音、つまり「ド」を指します。
(和音の詳しい説明は別の機会にします)

人間の耳は、ふたつの音が同じ音量で鳴っている場合に低音よりも高音のほうがよく聞こえるという特性があります。
(厳密に言えば1KHz前後が最もよく聞こえる)
ベースはあまり目立ちませんが、ポピュラーミュージックでは欠かせない、縁の下の力持ちな役割を担っています。

ベースをソロで聞いてみる

ではサンプル曲をシーケンサーで読み込み、ベースをソロにして聞いてみてください。
手順はドラムの時と同じです。

パソコン付属のスピーカーではよく聞こえないかもしれません。
その場合はイヤフォンやヘッドフォンをつないで聞いてみるとよくわかると思います。

ソロで聞くと、今まで聞こえなかった音がよく聞こえると思います。
リズムは同じパターンが繰り返されて、時々フィルが入る程度ですね。
このへんはドラムと同じです。

ベースはドラムと違い音域があるので、ずっと同じ音を出すわけにはいきません。
この曲ではほとんどの部分でコードのルート音を鳴らしていて、ところどころに遊びを入れています。
コード(和音)が分からなくても、何となくベースの音と曲全体の音程の流れが一致していることが感じ取れればよいかと思います。

今度は逆にベースのみをミュート(消音)して、他のパートを全て演奏してみてください。
あまり目立つ楽器ではないのに、消してしまうと物足りなくなりませんか?
このようにベースは普段あまり意識されないけれど実は重要な役割を担っています。
バンドではベーシストが曲全体のノリを支配している、ということもよくあります。

ドラムほど決まったリズムパターンというのはなく、同じジャンルでも曲によってかなり違いがあります。
ドラム以上に奏者のセンスが反映されやすい楽器といえます。
しかし基本パターンというのはあるので、いくつか作ってみました。

■ベースの例

先ほどのドラムパターンを少し小さめの音量で重ねています。
コード進行(ベースのライン)は全て同じです。
MIDIデータでは、ノートの長さを注意して見てみて下さい。
ベースは音をあまりダラダラと伸ばすとノリが損なわれてしまいます。
休符を意識した、メリハリのある演奏を心がけると良いでしょう。

ベースサンプル MIDI

ベースのまとめ

  • 曲中では低音域を担当する
  • ドラムと共に曲全体のリズムやノリを作る
  • 基本はコードのルート音を弾くことが多いが、決まりはない
    (奏者のセンスによるところが大きい)
  • 場合によってはドラム以上にノリを作るのに重要となる